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    小さなコケと大きな自然のいとなみ



    「コケの名前を知るより有用なことを教えます!
    コケってすごいんですよ。どうすごいかというと・・ 」
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    初っ端からこんな熱いお話しからはじまった自然講座。
    もうずいぶんと時間がたってしまいましたが少しばかりレポートです。

    ::

    実はだいぶ前に書き始めてはいたのですが
    あれやこれや取り紛れていて、おまけに何度も体調を崩し(つい昨日も・・)
    気が付いたら広告が表示されるまで放置していた模様。とほほ。

    コケだけはほとんど毎日覗いて撮っているのですが、その報告はまた次の機会に。
    更新されない間も覗きに来てくださった特異な方
    すみません。ありがとうございます(/_;)

    ::

    さて、レポートは1月28日に開催した自然講座です。
    職場の方で主催してもらるといいな~と思いお願いをしていて
    色々と考えてもらっていたようなのですが
    今回は都合が付かないので「宮崎コケの会」の方で
    ということになり、主催することとあいなりました。
    しかしまあ、いかんせん予算も無く人数も少ない宮崎班のこと。
    県民生協さんやこなら亭ファンド、宮崎県総合博物館
    自然好きの友人知人や県内在住の糞弟子さん・・
    あちらこちらにご協力いただきました。
    遅くなりましたが、その節はお世話になり本当にありがとうございました。


    講師はコケ好きさんなら知らない方はいないであろう伊沢正名さん。
    キノコや粘菌、そしてコケの写真家として知られていますが
    「デジタルで加工できる写真なんて面白くない」という理由から
    フィルムからデジタルに時代が移る頃に一線を退かれ
    現在は「糞土師(ふんどし)」として、自然循環の素晴らしさや大切さを
    広く伝えるために講演活動をされています。

    「糞土師」とは?という方はこちらのサイトを→ ノグソフィア

    とはいえ、とにもかくにも美しいコケ写真の数々を撮ってこられたのですし
    その魅力的な世界をもっと見たいし知らない方には知ってもらいたい。
    どんな風にコケと向き合ってこられたのかもお聞きしたい。
    そんなわけで、午前はコケ講座、午後は糞土師講座
    しかもはじまりは野外観察会というたっぷり丸一日の自然講座となりました。

    ▼コケの観察会ですが、伊沢さんのお話しはもっぱらコケの利用方法について(笑)
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    コケの名前を知るために来られた方はびっくりされるかなと思ったのですが
    ほとんどの方が伊沢ワールドに吸い込まれていらっしゃったようなので
    主に時間だけをフォローしつつ拝聴。いやあ熱い!
    (放っておいたら一カ所で丸一日終わってそうな勢いでした。)

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    ▼研修室での講座。
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    ▼伊沢さんのご要望により、急きょ「ここにも、こけが・・」の読み聞かせも。
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    コケの生きざまや美しさに加え、撮影時の苦労話なども交え、あっという間の1時間。
    とくに平凡社図鑑の写真撮影については「尽き果てた」というお言葉どおり
    大変なご苦労があったようです。
    研究者に同行し、機材や時にはテントを背負って、撮影地まで行かなければならなかったこと。
    乾いた状態に特徴があるコケは、一番コケが美しいと思えるしっとりした状態
    ではない(伊沢さんからすれば美しくない)縮れた状態で撮らなければならないもったいなさ。
    しかも選ばれる写真はごく一部でほとんどボツ(これこそもったいない!)
    などなど、知るにつれ平凡社図鑑の写真たちが今まで以上にありがたいものに思えてくるのでした。

    さらに伊沢さん時代はすべてフィルムだったので、撮った写真を現地ですぐ確認できる
    デジタルが普及した今では想像を超えるご苦労がおありだったはずです。
    ああ想像すらできない(>_<)


    午後からの講座「うんこはごちそう」は、とてもかわいらしいキノコの画像から始まりました。
    伊沢さんハナオチバタケ

    伊沢さんのキノコ写真には、キノコを見上げるようなアングルで撮られているものが結構あって
    小人になったような感覚になれることが嬉しくて
    私も下から見上げるようにコケを撮ることがよくあるのですが
    伊沢さんがキノコを見上げるように撮るようになられた理由というのがすごい。

    人間は食べることはするが、排泄するものに関して自然を顧みない方法でしか
    処理ができない。本来土に還して地球の栄養の一部になるべきものが多くの資源を使って燃やされている。
    それにひきかえ、この小さなキノコは自然のサイクルの一部として役割を担っているではないか。
    それを知った時にキノコにひれ伏す気持ちになった。
    ということらしいのです。

    ああ・・
    ワタシの撮る写真はコケに対する敬意が感じられない・・
    いや、もちろん比べることなどできないのですが
    「撮る」ことから始まったコケの名前調べ。
    もっとコケに寄り添って撮れるようになりたいと心から思った瞬間でした。
    (ウデも高価な機材も無いので気持ちだけですけれども気持ちは大事だと思うのですよはい。)

    その後は、伊沢さんの真骨頂である糞土師研究の成果発表を美しく生々しい写真を交えて。
    これが聞きたかった!という参加者さんがかなり多く、大きく頷きながら聞き入っておられました。

    実はお会いするまで、なぜ敢えて「野グソ」や「糞」という、
    なんというか、かなり強烈な言葉を使われるのか不思議でした。
    やんわりとした言葉でハードルを低くすることもできるかもしれないのに
    という素人考えもあって失礼を承知でお聞きしてみると
    それは伊沢さんの現代社会への挑戦なのだそう。
    野外で排泄して自然にお返しをするという行為そのものだけを広めるのではなく
    社会から嫌悪され、排除されそうになっている言葉を堂々と正面切って使うことが大事なのだと。
    人間にとって大切な行為であるはずなのに、そのものは無かったことにして
    美しい(と一般に思われている)ものだけを見ていたい
    というような人間社会にちょっと待った!と。
    立ち止まってよく考えてみる機会を与えてもらったのかもしれません。

    とはいえ
    やはり毎日野外でする、しかも葉っぱで拭く、という行為はやんわり言われたとしても
    ハードルが高すぎて(特に女性は・・)、それは無理無理~となるのですが
    実際問題、災害時にトイレが使えない場合、(だいたいこういう時はゴミ収集車もやってこないので
    簡易トイレもすぐ山のようになってしまう)自然にお返しする方法は知っておいて損はないかもしれません。

    というわけで、一度ご一読をお勧めしたい伊沢さんの新刊。
    「葉っぱのぐそをはじめよう」 山と渓谷社

    (なんと、トイレットペーパーの使い心地は5段階評価の3.5らしいですよ)
    葉っぱのぐそをはじめよう

    今まで出されたたくさんの著書の中でベスト3に入るとまでおっしゃっていた自信作。
    図鑑としてもなかなか興味深いです。
    もうね、タンポポとか(笑)









    ::


    追伸


    今回は佐賀や熊本からオカモス会員の方が駆けつけてくださいました。
    滅多にお会いできない会員さん、とても嬉しかったです。
    オカモスフラッグ
    オカモスフラッグを見て「なつかしい!」と顔をほころばせてくれたKさんでした。







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    musimegane6

    Author:musimegane6
    アート目線なコケ観察。
    いきもののカタチは美しい。


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